これから鳶の仕事を始めたいけど不安、、、
そんな方にも分かりやすく、いくつかに分けて書いていきます。
私自身右も左もわからない状態でこの世界に入り、たくさんの不安がありました。
今では10年近くたち、こういった経験も踏まえて何かの参考になったら嬉しいなと思います。
鳶職人とは
高いところで動き回ることから現場の花形とたとえられる職種であり、高所作業を得意とする仕事。
一言で鳶といっても作業内容は幅広く、鉄骨鳶、足場鳶、鍛治鳶など得意な分野で分かれていきます。
躯体工事とは違いますが、大型設備の搬入を得意とする重量鳶と呼ばれる職種もあったりします。
共通して言えるのはどれも危険が伴う仕事であるため、覚悟は必要になってきます。
そして鳶をやるうえで落ちない、落とさないは絶対条件となります!
すべて書こうと思うと長くなるため、今回は建て方について書いていきます。
(筆者は鉄骨やPCの建て方、足場を主にやっていたため偏った情報になってしまったらごめんなさい)
※PCとはプレキャストコンクリートの略
鉄骨鳶
鉄骨建て方とは?
まず鉄骨ってどんなの?という方に向けて、建物の基盤になる構造体と考えていただくとわかりやすいです。
簡単に言うと柱と梁(柱と柱を垂直方向につなぐ)を組み合わせて建物はできていきます。
図面通り指定された場所に指定のピース(鉄骨)を納めていく作業になり、命がけで「巨大なプラモデルを組み立てる」と言った表現が近いと感じます。
この作業を鉄骨建て方と呼び、他にも最近ではPC建て方と呼ばれるものも主流になっています。
クレーン作業がメイン
この作業は重量物になるのでクレーン作業がメインとなり、玉掛けと呼ばれるスキルは不可欠になります。
一般的には上無線(上で鉄骨を納めていく人)と下無線(下で玉掛けをする人)に分かれます。
そこにオペレーターが入る三者無線の体制を取り、協力して速やかに納めていくことを目指します。
危険性
高所作業のため落ちる危険もありますが、重量物に挟まれる危険性がかなり高くなる作業になります。
クレーンで地切り(吊り上げる)をする際荷振れを起こすなど、いくつか例を挙げてみましょう。
・トラック上で荷取りの際、荷ぶれを起こし荷台に挟まれる
・鉄骨を納める際に指を挟む
・ワイヤーが切れて吊り荷の落下
万が一荷ぶれが起きた場合はとっさに手が出てしまうものですが、そこはグッとこらえて逃げることを強く勧めます。
重量鉄骨の荷ぶれは人間の力で止められるようなものではないので、怪我をしないこととさせないことが重要です。
トラックを壊してしまったとしてもお金で買えますが、怪我は一生ついて回ります。
見習い期間
これから始めようと思っている方が一番気になるのは、どんなことから始めるの?と言ったことでしょう。
最初は下無線の助手的なポジションにつき、地走りと呼ばれる仕事を任されることが多いです。
必要な分のボルトや落下養生のネットを仕込むなど上での作業がスムーズに進むよう段取りをします。
それと同時に玉掛け者の手伝いをしながら玉掛けの技術も覚えていきましょう。
危険度も高く早出や一服なしでの作業も多いため、かなりの体力と集中力が必要になってきます。
言葉使いの悪い人も多いので、精神的なタフさも大事です。
PC建て方
はじめに少し出てきたPCの建て方についても簡単に書いていこうと思います。
こちらはあらかじめ工場で規定の柱や梁を加工してくる工法となります。
在来工法(現場で加工して建てていく工法)
- 鉄筋を組む
- 型枠を組む
- コンクリート打設
- 型枠の解体
- その他の仕上げ
こういった流れになりますが、PCの場合工場で加工してくるためクレーンで納めるだけで一つの柱が立ちます。
タイルなどの仕上げもしてあったりするので大幅に作業が減り、工期の短縮につながります。
PCに関しては仕上げが終わっているため、鉄骨のように「ぶつけて振れを止める」ことができないので慎重な扱いになります。
タイルなどの重さを含めると1ピース10t超えも珍しくないので、この作業でも挟まれないよう細心の注意が必要です。
個人的にはこのPC建て方はあと作業もなく、一番スマートに進むように感じるので好きです。
万が一荷ぶれを起こした場合は即退避、そしてつり荷の下には入らない!
まとめ
常に危険予測をして「この作業にはこういった危険がある」ことを理解することがとても大事になります。
会社によって人柄や雰囲気が全く違うので、自分に合った会社が見つかると良いです。
早出や休憩がない分残業手当が出る会社も多いので、鳶の中でも比較的日当が高くなる傾向にあります。
現場では一日で納めるピース数が決まっている場合も多く、「その日の搬入分を納めたら終わり」なんてことも多いです。
今回は建て方についての記事を書きました。
次回は足場について書いていこうと思います。