前回は玉掛けの資格取得の話でしたが、ここからは主任者の資格について書いていきます。
鳶で最も必要となる主任者の資格としては、鉄骨、足場、型枠支保工の三つは最低限持っていたい資格となります。
鳶なのに型枠支保工が必要なの?と思った方もいると思いますが、必要です。
今回は鉄骨の主任者資格について書いていきますので、支保工に関してはまた後日の更新とします。
足場専門でやっている場合は不要な場合もありますが、理想的な足場を組むためにも構造体を知ることは大切なことと思います。
また現在では鉄骨専門、足場専門といった分離した業者よりも、どちらもこなせる業者に需要が高いように感じます。
建築物等の鉄骨の組み立て等作業主任者
少し長い資格名ですね。
この資格は5m以上の鉄骨を組む際、作業員に直接指示をして作業をすることができるようになる資格です。
また、現在5m未満の場合でも5mを超える予定のある建物を建てる際にもこの資格が必要になります。
玉掛けのように資格を取り作業ができるようになるのとは異なり、指揮者になるための安全管理などの心構えを学ぶことになります。
また労働安全衛生法で、一定の作業以上は直接作業を指揮する作業主任者を選任して、その指揮のもと作業員は仕事をするという決まりがあります。
資格取得に向けて
まずこの資格を取るためには21歳以上かつ三年以上の実務経験が必要になります。(事業主の証明が必要)
学校などで建築を勉強してきた人だと、若干条件はかわってくるようですが、ほとんどの方は上記の条件での受講になることでしょう。
講習内容は受講時に受け取るテキストの元、11時間の座学を二日間に分けて行われ、受講料の相場は15000円程度になっています。
一日目
作業主任者としての作業を教室で学びます。
- 作業を直接指揮すること
- 器具や安全帯等の点検、不良品の排除
- 安全帯等の使用状況の監視
初日は作業方法について勉強していき、合わせて安全設備や器具についての知識を学ぶ一日になります。
作業内容は理解しているものとし、いくつかの災害事例などを交えながら、安全管理に関する説明が主になります。
二日目
昨日に引き続き座学の授業、この日は作業環境や作業員に対する教育の知識など勉強していきます。
もう少し具体的な作業内容に安衛法(労働安全衛生法)を絡めたものにもふれていきます。
またこの講習は鉄塔を組む人たちも受講しているので、そういった内容にも少しふれていきます。
一通り終わると最後に試験があり、それに受かると「鉄骨作業主任者」としての資格を与えられます。
まとめ
今回は主任者資格として、鉄骨の作業主任者を紹介しました。
座学の授業で眠くなりがちですが、頑張って授業を受けましょう!
試験内容も難しくないので、よっぽどのことがない限り落ちることはないように感じます。
また、受ける地域や機関によって講習内容は多少前後すると思いますが、筆者が取得した時の流れはこんな感じでした。
作業前の打ち合わせや作業方法の決定、不具合があった際の作業変更などができるのも作業主任者の仕事です。
仲間を守るためにも常に判断力を求められ、一人に負担が重くならないよう配慮ができる心遣いも必要になります。
講習内容としては難しい説明はほとんどないですが、作業主任者としての重要性を改めて感じる講習になっていました。